第2話:記者時代

 私が社会に出て初めての仕事は雑誌記者でした。「初めて」というのは幾つも仕事を変わって来た経緯があるからですが、それはまた別の話。「雑誌」と言っても怪しげな本ではなく企業経営者が読者の業界誌でした。

 兎に角、取材で歩き回り、何足も靴を履き潰しました。その頃に先輩記者から取材中に叱られた言葉が今も忘れられません。「〝なるほど〟と言うな!」「わかったような気になるな!」です。私が若造だから偉そうに言うなという意味ではなく、相手を知ることに徹する基本姿勢を叩き込んでいただいたのです。詳しくはまたの機会に…。