「性格の不一致」という素晴らしさ

 巷間、離婚理由のNo.1は、「性格の不一致」で不動の一位だそうです。ならば、離婚しない夫婦の多くは「性格が一致している」のでしょうか。調査するまでもなく、そんなはずはありません。なぜなら、そもそも性格が一致することなどあるはずがないからです。

 おそらく調査結果の示す意味は、言い訳のNo.1といったところでしょう。自分の思い通りにならない、意見が違うのが気に食わない…など、「性格の不一致」を言い訳として、その場しのぎの生き方、責任転嫁や自己保身の生き方を(無責任にも)社会が承認してしまっているように思われます。

 「離婚してはいけない」などと決めつけるつもりではありません。「いやなら離婚すればいい」という感情論でもなく、「簡単には離婚できないようにすればいい」という制度論を振り回したいわけでもありません。

 互いの個性の違いは、強みが異なるということであり、補完し合えるという実に幸せな関係性です。互いに違っていることがどれほど素晴らしいことか!と伝えたいだけです。「そのことを知らない」「そのことが分からない」のではないか。「いっしょになる」「いっしょに生きる」ことの素晴らしさを体験したことがないのではないか。このことを知るのはいつなのか。このことに気づかせてあげられるのは誰なのか…。

 「一人でも生きていける」という勘違いや思い込みをしても、させてもなりません。「ストレスとは何か?」と正しい認識も持たないままに、「現実社会はストレスだらけ!」とストレスを悪者扱いしたり…。「嗚呼!ストレスが無い世界に行きたい」などと、自殺宣言をしていることに気づいていなかったり…。実は、この誤った認識を変えるだけで、人も組織も元気になるのです。